日々のぼんやり

何か書いてみる。書いてから考える。

そこにある何か

どこから話を始めればいいか分からないけれど、当たり障りのない話から始めるスキルがいつの間にか身についてしまっている。

当たり障りのない話から始めてしまうので、いつまでも本題に辿り着けずに、話は周辺を彷徨っている。

話が上手いわけでもないし、コミュニケーション好きなわけでもない。

話している自分だけがもどかしい思いをしているし、話されている相手はこいつは何が話したいんだろうと思っている(と想像している)。

話せば話すほど上滑って行く感じが居心地が悪い。

居心地の悪さを埋めるようにまた、当たり障りのない話を重ねてしまう。

そうして悪循環が続いてゆく。

だが改めて話したいことを話してみよ、と言われたとしても、どこから話して良いものか判っていないのだから、やっぱり当たり障りのない話を始めてしまうことは眼に見えている。

そうしてつまらないことに、時間を費やしてしまい、そのことを後悔することになる。

しなくていい後悔なのか、無駄な時間を費やしていたのか、それは分からない。

だが言えなかった何かがそこには残されたままだ。

それは端的に言ってしまえば、不満だったり愚痴だったりするのだけれど、それは話すことで解消するようなものではないと思っている。

話してしまえばチャラになるものでもないし、その不満や愚痴の原因はそのまま残っているし、その原因を解決したいと考えているわけでもない。

話して分かって欲しいわけでもないし、誰かの共感を得たいわけでもない。

つくづく面倒くさい奴だな、と自分のことを思ったりもする。

つい最近もそんなことがあったので書き始めてみたものの、まだどこから書いたらいいものか躊躇している。

ぐいっと直截な言葉でそいつを掴んで、叩きつけるように言葉を吐き出しても、果たしてそれが言いたかったことなのか、ちょっと自信がない。

注意深くそいつを水槽の端に追い込んで、下から掬うように捕まえなければ逃げてしまうのだと思う。

だからその話はまた今度にしよう。