今週のお題「やったことがあるアルバイト」
実も蓋もない言い方だが、あまり頭を使うバイトは避けていたと思う。
バイトの分際で、その職業の何が分かっている訳でも無いけれど、短期でお金が手に入って、未経験でもできて、デスクワークよりも現場の仕事、というような選び方だったと思う。
引越しの手伝い、舞台の大道具の手伝い、住居表示の貼り付け、郵便局の仕分け。
あまり人に接する仕事は向いていないと思っていたし、かといってガテン系の仕事をこなす体力も無いと思っていた。
当時はバイト雑誌を購入して、候補のところに電話をして面接に行った。
あとは先輩のつてという謎のルートで「バイトやらない?」と声がかかることもあった。
今にして思うと、そんなんで大丈夫なのかと思うような仕事の探し方だったけれど、まぁそれでも何とかなっていたのは、おおらかだったのか、いい加減だったのかのどちらかだろう。
わりと誰でもできる仕事の類なので、たいてい採用される。
とはいえ、電話をした時点で定員数が埋まっていて、断られることは何度もあった。
そんなバイト経験の中で、1回断られたことがあるのが、ビラ配りのバイトである。
今のようにスマホでバンバン広告打つというのではなく、郵便受けへのポスティングや路上でのティッシュ配りが全盛だったころだ。
たしか新宿の雑居ビルの何階かだったと思う。
履歴書を書いて持っていき、簡単な面接をした。
もう質問も覚えていないが、最後に
「君、元気ないけど、大丈夫?」
と聞かれた。
結果は不採用だったのだけれど、体調も万全で、特にもぞもぞしゃべった覚えも無い。
恐らく、自分の中での普通と世間での普通のレベルが違うのかもしれない、と思った。
以来、ビラ配りのバイトは今までしたことが無い。
お題とは正反対に「やったことがないアルバイト」の話になってしまい申し訳ない。